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《月之珊瑚》 [00:02.42]奈須きのこ
奈须蘑菇 [00:04.17] [00:05.45](一)
(一) [00:08.19]眉唾な話だけど
我的话或许有些难以置信。 [00:11.16]わたしのおばあちゃんは
我的奶奶, [00:12.95]月からやってきた人らしい。
似乎来自月球。 [00:16.79]今年もいよいよ終わりが近づいてきた。
◆今年终于要结束了。 [00:20.76]十一回目の満月の夜
今天是第11个满月之夜。 [00:23.23]あと一ヵ月後に今年は死んで
再有一个月,这一年就会逝去, [00:26.06]なんの約束もない次の年を迎える。
然后迎来一个没有任何计划的第二年。 [00:30.61]その時までわたしたちが生きている保証は
在那以前,我们的生命 [00:33.96]あの透明な海月ほどもない。
甚至不如那只透明的水母有保障。 [00:38.06]今の人類にとって
对于现在的人类来说, [00:40.26]月日とは失われるもの
太阳和月亮已经是失去的东西。 [00:43.42]死という単語はあらゆるものに適用される。
死亡一词,适用于万物。 [00:48.07]聞くところによると
据说, [00:49.80]むかしの人たちは
以前的人类, [00:50.86]もっと明るい価値観を持っていたらしい。
具有更积极的价值观。 [00:54.42]暦は消費するものではなく循環するもの
似乎在他们看来, [00:58.26]巡るものとして扱われていたとかなんとか。
光阴不是在一味地消耗,而是在循环和轮回。 [01:02.65]要は同じ情報の使いまわしだ
简单的说,就是重复使用相同的信息。 [01:05.99]節約にもほどがある。
节约也要有个限度。 [01:08.40]かつての人類は贅沢だったというけれど
虽说过去的人类相当奢侈, [01:11.52]私たちから見たら大した倹約家だと思う。
但在我们看来,却是相当的节约。 [01:16.54]ただいま西暦、たぶん三千年ぐらい。
现在是公历,大概3000年左右。 [01:21.89]人類はとっくに終わっていて
人类的文明早已结束, [01:24.46]毎日は繰り返される保証はなくて
他们那些习惯性的行为也不再得到保障, [01:27.66]その代わり誰も争わなくなって。
同时带来的是,再也不会发生冲突, [01:31.28]人間が何千年もかけて積み上げた文明は
人类花费数千年构筑的文明, [01:34.65]ぜーんぶ空に捨ててしまって。
全部化作一场空; [01:37.44]わたしは十何回目かの求婚をふわりとスルーして
我无视了第十几次的求婚, [01:42.02]今日も今日とて
今天也和往常一样, [01:43.69]島の高台から海岸線を眺めている。
在岛屿的高处眺望海岸线。 [01:49.12]「空に水、水に空。
「天空映水。水映天空。 [01:52.81]月の空には砕け散った海がある」
月空之下,碎海无垠。」 [01:58.25]光る海を見ていると
望着闪烁的大海, [02:00.56]知らずおばあちゃんから
我不经意间哼起了 [02:02.00]教わった歌がこぼれてしまう。
奶奶曾经教我的歌。 [02:05.20]正確には
准确的说, [02:06.45]おばあちゃんのそのまたおばあ
这首歌是从 [02:07.99]ちゃんから伝わったもので
我奶奶的奶奶那里传下来的, [02:10.12]言葉の意味は分かるものの
虽然我能明白表面上的意思, [02:12.35]その真意は読み取れない。
却无法理解真正的含义。 [02:15.89]祖母を悪く言うようで気が引けるけど
这么说可能像是在说祖母的坏话, [02:18.85]少女趣味が過ぎるというか。
但我还是觉得这首歌太少女了。 [02:21.94]終わりの見えた毎日なのに
当时祖母的生命已所剩无多, [02:24.44]夢の中にいるような人だった。
却还是像梦中人一样。 [02:28.72]母も祖母も
我的妈妈还有祖母, [02:30.49]そのまた母も同じような趣味で。
甚至是祖母的妈妈,都有着相同的兴趣, [02:33.25]同じように
而且也都是 [02:34.70]たいへんな美人だったらしい。
非常漂亮的人。 [02:38.19]残念ながら
可惜的是, [02:39.70]わたしはちょっと型落ちだ。
我却有些老土。 [02:42.52]母ほどの美しさはないし
我不仅没有妈妈那般美丽, [02:45.30]なにより少女らしさに欠けている。
还缺少少女感。 [02:48.27]それでも求婚者が後を絶たないのは
这样的我,求婚者却络绎不绝, [02:51.38]ひとえにこの島のおかげだろう。
一切都多亏了这座岛屿。 [02:56.00]「おや。アリシマの君のお帰りですか」
「咦。有岛的客人准备离开了吗」 [03:02.15]風を感じて空を見上げると
吹着风,看向天空的时候, [03:04.96]真っ黒い飛行機が飛んでいくところだった。
一架漆黑的飞机正好起飞。 [03:09.02]ごう、という逞しい駆動音。
轰——。飞机发出沉闷的声音 [03:13.58]月光を遮って浮かびあがる最後の文明
最后的文明,或者说文明的遗迹, [03:17.56]あるいはその名残。
遮住了月光,缓缓离开大地。 [03:20.72]鋼の機体は鈍く強く輝きながら
钢铁的身躯,逐渐散发出光芒, [03:24.95]東の空を目指していく。
向东方的天空飞去。 [03:29.16]撃墜マーク、これにて十六人目
击落完毕,这是第16个人。 [03:34.00]しかも今回は新記録だ。
而且这次还刷新了记录。 [03:37.12]わたしはいつも以上の無理難題を押しつけて
我提出比以往更加过分的难题, [03:40.61]一日のうちに求婚者を追い返した。
只用一天,就赶走了求婚者。 [03:45.00]島でも前代未聞だと怒られたけれど
岛上的愤怒更是前所未闻, [03:48.42]今日ばかりは仕方がない。
可是只有今天拿我没办法。 [03:50.94]満月の日にやってくる相手が悪い。
都是这个在满月当天来访的人的错。 [03:54.13]場の空気を読め、というヤツである。
“给我看看气氛啊”,说的就是你这种人。 [03:58.14]酸素は薄くなったけど
氧气都变得稀薄了, [04:00.38]愛を語るのならそれぐらいは常備してほしい。
想要谈情说爱的话,你至少要有点常识。 [04:05.67]わたしの住む島は
我住的小岛, [04:07.54]人口五十人足らずの小さなコロニーだ。
是一个人口不足50人的小部落。 [04:12.02]都市のある本土は海を隔てた遙か彼方。
都市所在的内陆,则是隔着大海,在遥远的另一边。 [04:16.91]島には港がなく
这座岛没有港口, [04:19.18]三日月形の海岸には
月牙状的海岸上, [04:21.40]島特有の珊瑚礁が広がっている。
却有一片独特的珊瑚礁。 [04:25.78]島の人々にとって
对岛上的人来说, [04:27.71]珊瑚礁はごく普通のものだけど。
珊瑚礁没什么特别的; [04:30.87]都市部の人々にとっては
对都市的人来说, [04:32.85]宝石より価値のあるものらしい。
珊瑚礁却似乎比宝石更有价值。 [04:36.49]おばあちゃんの頃から
从奶奶那个年代开始, [04:38.42]この島は聖域として扱われている。
这座岛就被当成了圣地。 [04:42.41]海から入ることは固く禁じられ
禁止从海上入岛, [04:45.57]飛行機なんて貴重品を持っている人
只有携带贵重物品的人 [04:47.71]しか上陸できない。
才能通过飞机登陆。 [04:50.88]わたしがお姫さんと呼ばれるのも
我被称为公主, [04:53.73]本土の人たちにとって
也是因为对于内陆的人来说, [04:55.61]この島が特別なモノだからだ。
这座岛是特别的。 [04:59.55]人類復興の希望の星、と彼らは言う。
他们把这里称为“复兴人类的希望之星” [05:04.93]わたしたちにとっては極めて日常的な
可是对我们来说, [05:08.46]いつ終わっても
这只不过是极为普通的日常, [05:09.93]『そんなものか』的な環境にすぎないのだけど。
是随时了结也不奇怪的环境。 [05:14.66]「でも残念。
「可惜了。 [05:16.68]空は飛べても
即使能飞在天上, [05:18.39]月のサカナはやっぱり無理なのね」
也无法得到月球上的游鱼啊」 [05:22.67]わたしは毎回
每一次, [05:24.64]求婚者に無理難題を押しつける。
我都会向求婚者提出难题。 [05:27.98]今回のお題は月のサカナだった
这次的题目是,月球上的鱼。 [05:32.80]月は一方通行の世界だ。
月球是,有去无回的世界, [05:36.12]行く方法はまだ残っているらしいけど
世界上似乎还残留着去月球的方法, [05:39.10]帰ってくる方法がないらしい。
可是却没有记载回来的方法。 [05:42.58]行くだけなら現実的だけど
想去月球的话还是很现实的, [05:44.89]戻ってくる事はできない。
可是想要回来,却没有办法。 [05:48.03]生きていながら見る事のできる
这是在活着的时候, [05:50.66]現実的な死の世界。
可以实际看到的死的世界。 [05:54.51]月に行け
仅仅是让对方去月球, [05:55.66]というだけでも酷な話なのに。
就很严厉了, [05:58.21]その上
而且还要 [05:59.30]居るはずのない
让对方 [06:00.11]サカナを取ってこいというのだから。
拿回不可能存在游鱼, [06:02.61]アリシマの君が怒って帰るのも頷ける。
也难怪有岛的客人会被气跑。 [06:06.90]けれど誓って
可是, [06:09.14]わたしは本気なのである。
我发誓我是认真的。 [06:12.31]難題をこなしたのなら
无论是谁,只要能解决难题, [06:14.23]誰であろうと一生を捧げる覚悟。
我都愿意献出自己的一生。 [06:17.57]だってそれぐらいでしか
因为,只有这样, [06:19.42]わたしは愛を測れないから。
我才能衡量自己的爱。 [06:23.27]この星からは多くのモノが失われたけれど
这颗星球失去了太多的东西, [06:26.76]その最たるものは
其中失去最多的是, [06:28.74]人を愛する気持ちだという。
爱人的感情。 [06:32.99]月が死の世界になってから幾星霜。
◆在月球成为死的世界以后,已经不知过了多少年。 [06:37.03]いや
不, [06:38.17]人間にとっては初めから死の世界だったから
更准确地说,对人类而言,月球从一开始就是死的世界, [06:41.82]元に戻った、と言うべきか。
现在只不过是恢复了原本的面貌。 [06:45.34]月への移住計画は
月球移民计划 [06:47.58]増えすぎた人口対策の一環だったという。
是应对人口过剩问题的其中一部分。 [06:51.84]月は新しい開拓地になって
月球成为新的开垦地, [06:54.75]移住した人々は月面に都市を
移居的人类在月球表面建造了都市, [06:57.69]国家を作るに至った。
甚至建立了国家。 [07:00.88]けれどその後、あの大災害が訪れた。
可是在这以后,一场大灾害降临。 [07:06.00]地上もポールシフトで大変だったらしいけど
地球上也因为移极的影响 [07:09.46]人類に訪れたものはもっと決定的で
面临十分严重的情况,人类所面临的, [07:13.42]かつ形のないエンドロールだった。
是更加绝对的、无形的结局。 [07:17.01]なんというか。
怎么说呢。 [07:19.67]人類は唐突に、情熱を失ったのだ。
人类、突然失去了热情。 [07:26.18]それは開拓への熱であり
是对开拓的热情、 [07:28.82]解明への熱であり
对解答的热情, [07:31.05]繁殖への熱だった。
还有对繁殖的热情。 [07:34.15]うちの息子が引きこもったのです
这并非只是我家孩子闭门不出的程度, [07:36.63]なんてレベルではなく
而是在全人类的规模上, [07:38.55]人類規模で
出现一种 [07:40.14]『何もかもどうでもよくなった』のだ。
“怎样都无所谓”的态度。 [07:43.33]こっち側の人たちは
地球上的人们 [07:45.43]文明のほとんどをあっち側に押しつけた。
将文明硬推给了另一侧的人。 [07:50.16]地上では文明がなくても生きていける
地球上即使没有文明也能生存。 [07:53.36]でも月では文明なくして生きてはいけない。
可是,月球却无法做到。 [07:58.01]なので地上の人たちは
所以地球上的人,以一种 [08:00.47]『人類の叡智を保存するのはおまえたちの役割だ
“保存人类智慧的任务就交给你们了, [08:04.71]我々は正直、もう面倒になった』
我们呢,说真的已经烦透了。” [08:08.71]なんて風に
的态度, [08:10.43]すべてを月に預けてしまった。
把一切托付给了月球。 [08:13.86]その後
在那以后, [08:15.37]わずか半世紀で
仅仅过了半个世纪, [08:16.96]月と地上は没交渉になった。
月球与地球再无往来。 [08:20.20]どちらの人類も
无论是哪边的人类, [08:22.00]もう交換するものはない
都再也没有可以交换的东西, [08:23.94]と閉じこもった。
所以互相切断了来往。 [08:26.52]こっちはこっちの資源だけで
地球这一边, [08:28.43]なんとか回るようになっていたし。
靠着现有的资源也能勉强运转。 [08:30.98]月も月で
月球也一样, [08:32.39]必要なだけの環境は整えられた。
必要的环境也已经建设完成。 [08:37.05]月の明かりが途絶えたのは
月光的消失, [08:39.61]それから何十年か後の事らしい。
似乎发生在中止联系后的十几年。 [08:43.73]一方、地上の人口も激減していった
另一边,地球的人口锐减。 [08:48.75]なにしろ増やす気がなくなったのである
毕竟失去了繁殖的热情。 [08:52.12]放っておけば五十年ほどで種は途絶えてしまう。
放着不管的话,50年就会绝种。 [08:57.15]それでもなんとか生き延びているのは
在这种情况下,却还能生存下来, [08:59.75]十人に一人の割合で
完全是因为那十分之一, [09:02.09]“まだ頑張れる”物好きがいたからだ。
仍然怀有好奇心,仍在努力的人。 [09:07.31]自分だけで手一杯なのに
那些明明顾及自己就已经筋疲力尽, [09:09.48]他人にまで気を配れるというマメな人たち。
却还能分出一份关心,态度认真的人。 [09:13.72]そんな物好きたちが集まって作り上げた
这些“过去”的人 [09:16.96]『かつての』人間の集まりが
聚集的生活圈, [09:19.51]都市部と呼ばれる生活圏。
被称为都市。 [09:22.17]行ったコトがないので詳しくはなんとも
由于我没去过,所以不太清楚 [09:26.18]名を人類復興委員会
但我知道一个名字——“人类复兴委员会” [09:30.11]生命の基本に立ち返ろう、という運動
这是一场让生命恢复根源的运动。 [09:34.28]その原理を愛という。
他们将原理称为爱。 [09:37.63]わたしにはそれが本気で分からない
对此我真的毫无头绪。 [09:41.51]気持ち悪いのではなく
并非是觉得恶心, [09:43.70]互いを思い合うという状況が
而是我真的无法想象 [09:46.50]どんなものなのか想像できない。
互相牵挂的样子。 [09:49.70]それはほんとうに気持ちの良いコトなのだろうか
这种行为真会让心情愉悦吗? [09:54.47]きっと不具合しか生じない。
肯定只会产生问题。 [09:56.97]もっと系的なもので相互補助した方が
我认为更加系统化的互助 [10:00.24]よっぽど気持ちはいいと思う。
才会更加让人开心。 [10:03.08]そこには安心があり
因为在这里面有规划、 [10:05.07]打算があり、明確な作業がある。
有明确的分工、能让人安心。 [10:09.28]見えもしない相手の心を理解しよう
试图理解对方无形的心灵, [10:11.82]なんて行為は、それこそ現実的ではない。
才不切实际。 [10:16.98]このように
所以。 [10:18.98]わたしが求婚される度に
每当有人求婚, [10:20.82]無理難題を押しつけるのは。
我都会给求婚者提出难题, [10:23.14]自分では愛が測れないから
是因为自己无法衡量爱, [10:26.23]相手に測ってもらっているだけなのだ。
希望对方能替我衡量。 [10:30.51]わたし以上に価値のあるものを手に入れて
如果有人得到了比我更有价值的东西, [10:33.24]なお引き替えにできるなら。
还能与我交换, [10:35.62]その人は確かに
就能证明 [10:37.38]わたしを必要としているのだと証明できる。
那个人真的需要我。 [10:42.11]殿方も人間も好きだけど
我喜欢男人,也喜欢人类, [10:45.12]愛だけは理解できない
可唯独理解不了爱。 [10:47.82]でもそれなりに幸福だ。
这样的我,也有自己的幸福。 [10:50.69]太陽と水と空気があれば
毕竟我们只要有太阳和水,还有空气, [10:53.27]なんとなく生きていけるのがわたしたちだし。
就能勉勉强强活下去。 [10:57.51]あぁ
啊, [10:58.70]こんなだから人間は終わってしまったのでしょう
真讨厌,就是因为这样, [11:01.98]と自己嫌悪もなくはないけど。
人类才会终结的吧。 [11:06.65]「星はまたたく、海はさざめく
「群星闪闪放光,大海沙沙作响 [11:10.92]人恋しくて珊瑚は謳う。
恋慕之情令珊瑚讴歌。 [11:14.14]わたしたちは海月みたいに
我们宛如一只只水母, [11:16.72]ふわりふわりとその日ぐらし」
轻飘飘地将日子重复」 [11:21.10]暗い野原で歌いながら
漆黑的原野上,我在哼唱的同时, [11:23.25]くるくるとステップを踏む。
也轻快地踏起了舞步。 [11:26.84]「おや。人生を海月に喩えるとは、また力強い」
「咦。把人生比作了水母,真是坚韧。」 [11:34.40]そんなわたしの独白をさえぎる声
一道声音打断了我的独白。 [11:38.13]見えない膜に包まれたような
那声音像是被无形的薄膜遮掩, [11:40.65]男の人の声だった。
但可以听出是个男人的声音。 [11:44.84]「失礼……さん、というのは貴方ですか?」
「不好意思。你是...对吧?」 [11:51.50]名前を呼ばれて振り返ると
听到名字以后,我转过身体, [11:54.19]妙チクリンなものが浮いていた。
眼前漂浮着一个奇异的物体。 [11:57.51]ランチバッグ程度の大きさの
那是一个饭盒袋大小的 [11:59.98]ブリキの乗り物
铁皮载具。 [12:02.11]お刺身を載せる舟みたい。
就像是盛放刺身的船形容器。 [12:05.39]その上に
在船上, [12:07.02]これまたブリキで出来たような人形が乗っている
好像乘坐着一个铁皮玩偶。 [12:11.55]人形の表面はヤカンみたいにつるつるで
玩偶的表面像水壶一样光滑, [12:15.33]どこもかしこものっぺらぼう。
到处光秃秃的。 [12:18.31]顔の部分には透明な覗き穴があるのだけど
面部虽然有一个透明的孔, [12:22.63]月の光が反射して
但在月光的反射下, [12:24.81]中の様子は分からなかった。
我看不见里面的样子。 [12:28.01]ともあれ
无妨, [12:29.35]名前を呼ばれた以上は
既然叫了我的名字, [12:31.40]挨拶を返さなければ。
那我就必须回礼。 [12:34.27]「こんばんは。はじめまして
「晚上好。初次见面, [12:37.42]でいいのかしら?」
应该没错吧?」 [12:39.29]「これはご丁寧に、私こういう者です」
「您客气了。我是…」 [12:44.68]ブリキの彼は小さな紙切れを持ち出した。
铁皮的他拿出了一张小纸片。 [12:49.74]何に使うものかは分からないけど
虽然还不知道是做什么用的, [12:52.91]丁寧に差し出してくれたので
既然他礼貌地递给了我, [12:55.06]こちらも丁重に受け取った。
那我也要恭敬地收下。 [12:58.82]「島の外から来た人?」
「你来自岛外吗?」 [13:01.29]「はい。貴方に会いに来たのです。
「没错。我是来见您的。 [13:05.21]ご迷惑でなければ
您不介意的话, [13:06.82]お話をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
我们可以谈谈吗?」 [13:11.08]わたしは今度こそ目を丸くして
这一次轮到我瞪大眼睛, [13:13.89]失礼なコトにまたたきなどしてしまった。
露出了这样有失礼节的表情,不由得让我眨了眨眼。 [13:17.90]新しい求婚者?珍しい。
新的求婚者。真稀奇。 [13:22.74]いろんな人たちに会ってきたけど
我见过许多的人, [13:25.14]手のひらに乗るぐらいの人は初めてだ。
能放在手心上的还是第一次见。 [13:28.99]「いえ、自分の職務は配達なのです
「不,我是工作是派件。 [13:33.30]この島に訪れたのは仕事が半分
造访这座岛有一半是因为工作, [13:36.47]個人的な趣味が半分です」
另一半则是因为个人爱好」 [13:39.58]膜のかかったような声は
这段仿佛被薄膜遮掩的声音 [13:41.89]あのブリキの服ごしだからだろうか。
好像来自铁皮内部。 [13:45.86]ふわふわ浮かぶ小さな舟と
轻飘飘的小船, [13:48.61]見たこともない格好の来訪者。
还有从未见过的来访者。 [13:52.00]わたしは興味を抑えられず
我无法抑制住好奇心, [13:54.40]つい、会話より観察に没頭してしまった。
一不小心,比起对话,更加沉迷在观察之中。 [13:59.62]ブリキの彼は気にした風もなく
铁皮的他丝毫没有在意, [14:02.55]いまの時刻とか、今の年代とか
而且问起了问题,像是现在的时间, [14:06.60]今の気候なんかを話しはじめた
现在的年代,现在的气候。 [14:09.84]世間話のつもりらしい。
他似乎是想要闲聊。 [14:13.10]わたしはもちろん空返事
我自然是随意作答。 [14:15.65]会話はこれっぽっちも成立しない。
结果就是完全没能成立对话。 [14:19.55]言葉はほどなくして尽きた
没过一会儿,他就把话问完了。 [14:22.86]小さな彼はやや困ったように頰を搔いている。
小小的他疑惑地挠了挠脑袋。 [14:26.91]わたしは自分の身勝手さを恥じて
我对自己的任性感到脸红, [14:30.45]会話のソースを提供する。
开始提供对话内容。 [14:33.44]「さっき、趣味が半分って言っていたけど?」
「刚才,你说有一半是因为个人爱好?」 [14:37.63]「はい。私は商人もしているのです。
「没错。因为我还是个商人。 [14:41.36]貴方を訪ねたのもその一環です。
所以拜访您也是其中的一环。 [14:44.84]貴方の持つ物資と
我想要和您 [14:46.78]私の持つ物資を交換したいのですが
交换物资, [14:49.80]いかがでしょうか?」
您看如何?」 [14:52.02]必要なものを仕入れにきたのです
他表示 [14:54.92]と彼は言った。
自己是来购入必要物资的。 [14:57.50]わたしは本気で困ってしまう
这反倒让我陷入苦恼。 [15:00.18]だって
因为 [15:01.28]こんな珍しい人が欲しがるモノなんて
这位稀客想要的东西, [15:04.19]この島には何処にもない。
这座岛上根本不可能有。 [15:07.28]「他をあたるべきよ
「你要找别人。 [15:09.31]わたし
我没有 [15:10.54]そんな貴重なものは持っていないわ」
那么贵重的东西」 [15:13.96]「いえ、商人の基本は
「不。商人的原则就是, [15:17.08]足りないモノを買う
购买稀有的 [15:18.63]というコトです。
东西。 [15:20.40]こちらで貴重とされるものは
贵重物品, [15:22.76]私には有り余っています
我有的是。 [15:25.21]ですから、その逆もあるのです。
所以,我想要稀有的东西。 [15:29.36]物語を知りませんか
你有故事吗? [15:32.00]どこにもない
那种从未有人听过, [15:33.46]出版されていないものです」
从未出版的故事」 [15:36.78]わたしはまたも
我又一次 [15:38.61]特に理由はなく
没有理由地 [15:40.48]ブリキの彼をまじまじと見つめてしまった。
盯住了他。 [15:45.03]大人のように落ち着いた彼が
是因为他有着大人般的冷静, [15:47.61]子供みたいな要求をしたからだろうか。
却提出了像小孩子一样的要求吗。 [15:51.78]すとん、と言葉が胸に落ちる。
他的话啪嗒一声,落在了我心里。 [15:55.55]普段なら馬鹿にするところなのに
要是放在平常, [15:58.07]わたしはごく自然に
我一定会觉得他在耍我, [16:00.14]その仕入れに協力したくなっていた。
但是现在我却非常自然地接受了, [16:04.62]「それなら一つ
「那么,我这里有一首 [16:06.31]お望みの歌があるわ
你想要的歌。 [16:08.78]おばあちゃんから教わった話だけど
这首歌是奶奶教给我的, [16:11.52]それでいいかしら」
可以吗?」 [16:13.62]「口伝とはまた高価なものを。
「亲口传授更有价值。 [16:17.30]ですが申し訳ありません
但是很抱歉, [16:19.43]私は貴方たちの言葉を正しく聞き取れないのです
我无法正确理解你们语言。 [16:23.56]お手数ですが、文字にしていただけませんか」
可以写成文字吗,虽然会有些麻烦。」 [16:27.74]ブリキの彼は
铁皮的他 [16:29.42]わたしたちの言葉に疎いらしい。
似乎不怎么理解我们的语言。 [16:32.67]よく今まで話せたものだと呆れたけれど
这么一想,其实刚刚的对话并不流畅, [16:36.16]振り返ってみれば
令我吃惊的是, [16:37.73]そんな流暢には会話していなかったっけ。
在这种情况下我们也能对话。 [16:42.63]「無理よ。わたし、読み書きができないもの」
「做不到。我、不识字」 [16:47.26]「ええ、存じ上げております。
「好吧,我知道了。 [16:51.18]次の満月に帰りますので
这么说或许有些冒犯, [16:53.66]それまでに本にしていただければ。
让我教你识字吧。 [16:57.26]ですぎた真似ですが
我会在下个满月的日子离开, [16:59.08]私がご教授してさしあげましょう」
只要在那以前写成书就可以了。」 [17:02.98]彼はとん、と胸を叩いた
他拍着胸脯说道。 [17:06.41]任せろ、という表現らしい。
似乎是在表达交给他吧。 [17:09.62]ちっとも頼もしくない
有点不可靠。 [17:12.49]勉強不足がこんな事で祟るなんて。
平日的懈怠居然会在今天遭到报应。 [17:16.07]人類はとっくに終わったのに
人类早就结束了, [17:18.47]わたしの人生は波乱含みだ。
我的人生却波澜依旧。 [17:22.30]それは、まあ、それとして。
算了,暂且无视吧。 [17:26.49]「ところで。海月が力強いって、どうして?」
「话说,你为什么觉得水母是坚韧的。」 [17:33.04]「ずいぶんと昔の話ですが
「在许久以前, [17:35.92]海月の仲間の一つが
有一种水母, [17:37.51]細胞死による老化問題を解消しています。
解决了细胞死亡导致老化的问题。 [17:41.83]永続を実現させた数少ない動物です
是少数实现了永恒的动物。 [17:46.64]海月というのは
所以水母 [17:48.50]存外にたくましい生命なのです」
是一种相当顽强的生命」 [17:51.73]彼はやっぱり
他果然用冷静的口气 [17:53.68]丁寧な口調で小難しいデータを返した。
回复了一段有点小难的内容。 [17:57.92] [17:59.64](二)
(二) [18:02.53]むかしむかしのお話です。
在很久很久以前。 [18:05.73]影の海と名付けられた荒野に
在一片被称为阴影之海的荒野上, [18:09.20]少女の姿をした
出现了一块 [18:11.23]一つの石がありました。
少女模样的石头。 [18:14.81]美しい亜麻色の髪
她有着美丽的亚麻色头发, [18:17.38]あどけない瞳と薄桃の唇。
天真烂漫的眼睛,粉嫩的嘴唇。 [18:22.76]しなやかに伸びたヒトっぽい手足
柔软优美的手脚,就像人类一样。 [18:26.82]しみ一つなく、デコボコもなく
肌肤犹如打磨过的石灰, [18:30.86]磨かれた石灰のような肌。
完美无瑕。 [18:34.15]それは人の美意識の統計によってかたどられた
那是通过统计人类美学意识,才能得到的, [18:38.65]万人に愛される少女像でした。
受世人所爱的少女模样。 [18:43.18]もとからそういうカタチだったのか
石头原本就是这个模样吗? [18:46.34]後からそういうカタチになったのか。
还是说,是后天形成的? [18:50.53]ピグマリオンの伝説も
就连皮格马利翁的传说, [18:52.54]ここでは遠い異国の話。
在她眼前也不过是遥远异国的传说。 [18:55.90]はっきりしているのは
能够肯定的是, [18:58.07]彼女は生まれながらのお姫さまで
她是一位与生俱来的公主, [19:01.18]多くの人たちに望まれて
在无数人的敬仰下, [19:03.54]目を覚ましたというコトだけ。
她苏醒了。 [19:07.04]世界は一面の荒野でしたが
世界是一片荒野, [19:10.25]彼女のまわりにだけはくるぶしほどの深さの湖と
唯独她的身边,有着没过脚踝的湖水, [19:15.28]見上げるばかりの花弁が咲いています。
以及刚刚盛开的鲜花。 [19:19.02]もちろん
当然, [19:20.23]石灰を彫り込んだだけのニセモノですが。
这也是由石灰雕刻的赝品。 [19:25.46]空に氷、氷に空。
天空凝结成冰、冰也构成了天空。 [19:30.81]この冷たい星を
有人向她许愿望, [19:32.49]温かな氷で包んでほしいと
希望这颗寒冷的星球 [19:35.11]彼女はお願いされました。
能被温暖的冰笼罩。 [19:38.16]誰にお願いされていたのかは
是谁许的愿, [19:40.94]もう定かではありません。
现在已不得而知。 [19:44.33]彼女が生まれた時には大勢の人がいたけれど
在她诞生之时,周围还有许多的人类, [19:47.97]少しうたたねしている間に
但在一场短暂的假寐过后, [19:50.75]みんなキレイに消えさってしまったからです。
所有人都消失了。 [19:55.54]ひとりぼっちになったところで
因为自己变成了孤身一人, [19:58.01]彼女は多くの仮説を楽しみました。
所以她愉快地做出了许多种假设。 [20:01.74]まずはシステムの不備でみんな死んでしまった説
首先是,因为系统缺陷,大家都死了。 [20:06.55]でも
可她还活着, [20:07.56]彼女が生きているかぎりそれはありません。
所以假设不成立。 [20:11.62]必要なモノは今も供給しているし
必需的物品至今仍然在补充, [20:14.76]不慮の事故での全滅はないでしょう。
应该不是因为系统事故导致全灭。 [20:18.80]次に、みんな眠っている説
下个假设是,大家睡着了。 [20:23.29]起きているのも面倒になったので
因为大家觉得醒着很麻烦, [20:26.06]いっせえのせでまぶたを閉じた
所以一起合上了双眼的 [20:27.94]可能性も大ありです。
可能性很高。 [20:31.08]仕方なく星の表側に感覚を伸ばしてみましたが
没办法,她试着将感觉覆盖星球表面, [20:35.28]人々の反応はありません。
却没找到任何人类的反映。 [20:38.49]彼らは本当に
他们真的 [20:40.46]この国から消え去ってしまったのです。
从这个国家消失了。 [20:44.92]あれこれ仮説を潰していく中
在一次次的推测中, [20:47.98]ふと、彼女はこの国の法律を閲覧しました。
她突然读起了这个国家的法律。 [20:52.91]司法曰く、こちらの住人は
法律说,禁止这边的居民 [20:57.17]あちらの住人との恋を禁じる。
与那边的居民恋爱。 [21:01.39]このルールを破ったものは
破坏规则的人要接受处罚, [21:03.10]地上への落下刑に処す。
流放到地球上。 [21:06.44]もしかすると
或许 [21:08.13]人々はその罰でみーんな
大家是因为违反这条法律, [21:10.69]あちら側に落ちていったのかもしれません。
去了那一边。 [21:14.91]うんうん、と彼女は頷きました。
嗯,她点了点头。 [21:19.29]いえ、首は一ミリも動かないので
实际上,头部纹丝未动, [21:23.27]気持ち的に頷きました。
只是在心里点点头。 [21:26.43]信憑性はこれがいちばんだったのです。
认为这种推测的可靠性最高。 [21:31.54]それでも彼女は真面目だったので
虽然有了答案,但她是个认真的人, [21:34.97]望まれた仕事を続けます。
所以会继续完成大家托付的事情。 [21:38.34]まず都市部への余分な元素提供をカット
首先是阻止多余的元素输送至都市里。 [21:43.09]娯楽施設はもう必要ありません
现在已经不需要娱乐设施了。 [21:46.48]その分を環境調整に費やします。
将多余的部分用于调整环境。 [21:50.99]影の海は半世紀ほどで
阴影之海经过半个世纪, [21:53.93]樹木と空を完備した都市になりました。
已经是一个完善了树木与天空的都市。 [21:58.34]樹木は石灰で
树木由石灰筑成, [22:00.34]空は氷を張っただけのニセモノですが
天空则是用冰覆盖的赝品, [22:03.87]とにかくオーダーには応えたのです。
总之我完成了你们的要求。 [22:07.60]人々が望んだコトは
人们期待的东西, [22:09.98]人々さえいなければ
只要没有人, [22:12.33]こんなに簡単にできることでした。
就能轻而易举地完成。 [22:16.71]月に七つの海を作ってからさらに半世紀。
距离在月球上制作7片海洋以后,又过了半个世纪。 [22:22.26]望みを叶えれば戻ってくると思われた人々は
结果还是没能见到人类的踪影, [22:26.08]けれど影も形もありません。
本以为实现他们的愿望以后,他们就会回来。 [22:30.22]音のない世界にひとりきり
无声的世界里,孤身一人。 [22:33.56]ときどき、人々は追放されたのではなく
有时候,我甚至会觉得 [22:37.76]自分だけこの星に追放して旅だったのでは
真相并非是人类被流放了, [22:41.60]と真実に気付きそうになる事もありましたが
而是我自己被流放到这颗星球。 [22:46.19]あくまで仮定なので
假设归假设, [22:48.10]ひび割れるコトもありません。
但也绝非不可能。 [22:51.78]彼女は氷に映る
她抬头看向反射在冰面上, [22:54.08]ここからでは決して見ることのできない
在这里却绝对看不到的 [22:56.90]青い星を見あげます。
蓝星。 [23:00.63]人々はあの星に旅だったのでしょうか。
人们是前往那颗星球了吗? [23:05.29]せっかく美しい森を作ったのに
我好不容易创造了一片美丽的森林。 [23:09.06]誰も見てくれないのでは
却没有任何人来看, [23:11.63]それこそ骨折り損というものです。
真是白费力气。 [23:16.15]なにしろ彼女は
毕竟, [23:18.26]この森になんの思い入れもないのですから。
她自己也对这片森林没有任何感情。 [23:23.08]ある日のことです
某一天。 [23:25.99]砂を踏む気配で目が覚めました。
沙子上的动静唤醒了我。 [23:29.31]そういえばちょっと前に
话说回来,前段时间, [23:31.44]こつん
也有个东西 [23:32.17]と体に何か当たった気がする彼女でした。
啪的一下碰到了身体上。 [23:37.36]意識を起こすと
令我吃惊的是, [23:39.32]驚いたことに
在我苏醒后, [23:41.08]並木道を何かが歩いてきます。
有东西正在从林荫道上走来。 [23:45.40]ずんぐりとした体格
它有着胖墩墩的体格。 [23:47.90]可動範囲の少ない歩行。
活动范围狭小的步伐。 [23:51.09]自分と同じかそれ以上の
和自己一样, [23:53.39]すべすべで単色の肌。
甚至更光滑的单色皮肤。 [23:56.68]それはブリキで出来たヤカンみたいな
就像个铁皮做的水壶, [24:00.46]およそこの世の美意識とはかけはなれた
一只几乎脱离了世间美学的 [24:03.70]冗談みたいな生き物だったのです。
搞笑生物。 [24:08.02]彼女は驚きに目を見はりながらも
她在震惊之余, [24:10.95]未知の体験に胸を躍らせました。
也感到了一股未知的体验。 [24:14.15]だってはじめて、そして遂に
因为这是第一次, [24:17.49]この星に宇宙人がやってきたのです!
终于有外星人来到这个星球! [24:21.94]「待て。
「等等, [24:23.17]話が違う
不对。 [24:25.01]なんだって月面に宇宙人がいる?」
月面上怎么会有外星人?」 [24:28.75]まあ、それも彼女の勘違いだった訳ですが。
嗯,这倒是她误会了。 [24:35.54]やってきたのは地上から昇ってきた人間でした
◆来到此处的是地球上的人类。 [24:41.06]宇宙人と言えば確かに宇宙人なのですが。
说是外星人也没有错, [24:45.34]今までの人々と同じく
和以前的人类一样, [24:47.67]会話をするコトはできません
无法交流。 [24:50.81]彼女には喉がないのです。
因为她没有喉咙。 [24:55.19]それでも彼女は今まで通り
不过没关系,她和往常一样, [24:57.89]彼の独り言を解析します。
开始解读起了他的自言自语。 [25:01.52]分かったのは些細なコト
能从他的话里了解到一些事情。 [25:04.37]彼は周囲の反対を押し切って
他不顾周围的反对, [25:07.35]自分からこの星にやってきたらしいのです
自己一个人来到这颗星球。 [25:11.79]辿り着くコトに意味のない。
抵达这里本身并没有意义。 [25:14.67]発つ理由も
没有启程的理由, [25:16.20]見返りもない一方通行の旅を、ひとりで。
也没有回报。他独自一人进行这段单程旅途。 [25:23.00]「そうか。生存の為の物資はあっても
「是吗,即使有生存物资, [25:27.42]精神面での不足は解決できなかったのか。
也无法消除精神上的不足。 [25:31.70]自滅とは、さすがは地上より進んだ文明だ」
自我毁灭,不愧是地球的先进文明」 [25:37.74]彼は都市の機材を使って
他使用都市里的器材, [25:40.12]かってに生活をはじめました
自顾自开始了生活。 [25:42.98]ゆうゆうじてき、というヤツです。
一个悠闲自得的家伙。 [25:47.53]彼は十二時間周期で彼女のところにやってきては
他每隔十二小时就会来到她的身边, [25:51.57]タンクに水素が溜まるまでの間
在储罐充满氢以前, [25:54.23]独り言を続けます。
他都会自言自语。 [25:57.19]「人のカタチをしているからといって
「有着人类的外表, [26:00.10]人間の文化を押しつけるのは
就要强加上人类的文化, [26:01.88]傲慢ではないだろうか」
这是否是一种傲慢呢」 [26:04.88]彼はそう言って
他一边说着, [26:06.26]彼女のドレスを脱がせようと試みましたが
一边试着脱下她的裙子。 [26:09.60]それは全力で阻止しました。
她使出全力阻止了他的行为。 [26:13.05]信じられないでしょうけど
你可能不信, [26:15.40]彼女の体が彼女の思った通りに動いたのは
她的身体居然能按自己的想法行动, [26:19.64]これがきっかけなのでした。
会不会是多亏了这件事呢。 [26:23.52]「昨日は申し訳ないことをされた
「昨天你对我做了很过分的事情。 [26:26.52]あやうく火星まで飛ばされるところだった。
我差点飞到火星去了。 [26:30.02]ここが地上なら
如果这是地球, [26:31.80]今ごろ君は檻の中だ。
你已经坐牢了。 [26:34.46]君には少し
看来必须得 [26:36.29]人間の機微を教授しなくてはならないようだ」
教你点人类的人情世故。」 [26:40.49]彼は当然のように彼女の助けを受けながら
他一副理所当然的样子,在接受她帮助的同时, [26:44.44]こんな辛辣なコトを言うのです。
还说出这么刻薄的话。 [26:48.49]それでも彼の語りは新鮮で
即使如此,他的说的一切都是那么新鲜, [26:51.40]ふしぎな親近感があるのです。
能从他的身上感到一股难以想象亲切感。 [26:55.09]この状況なら
这种情况下, [26:56.77]誰であれいい人に見えてしまうと思うけど。
看谁都是个好人, [27:00.26]それはあえて追及しません
更加不可能追究对方。 [27:04.01]彼女にとって彼は新しい世界でした。
对她来说,他就是崭新的世界。 [27:09.35]“こんな素晴らしい方が
“这么优秀的人, [27:11.69]どうして死の世界にやってきたのだろう?”
为什么会来到这个死的世界呢?” [27:15.18]信じがたいコトですが
难以置信, [27:17.63]彼女は彼のために
她居然会为他 [27:19.53]そこまで心を痛めたりもしたのです。
心痛到这种地步。 [27:23.82]多くの仮説から最有力候補にあがったのは
无数假设中,最有可能的是, [27:27.90]彼も人々と同じだろう、というものでした。
他和其他人一样。 [27:34.28]こちらの世界の住人があちらの住人に恋をすると
这里的居民爱上另一边的居民 [27:39.04]罰として落とされる。
会被流放。 [27:41.32]それと同じように
同样的, [27:43.32]彼もこちらの住人に恋をしたから
他应该也是爱上了这边的居民, [27:46.45]ここまで昇ってきたのではないでしょうか。
才会到这里来。 [27:50.76]ですが皮肉なコトに
可笑的是, [27:53.19]こちらの住人はみな消えてしまいました。
这里的人已经消失了。 [27:57.82]彼は恋のためにやってきて
他为爱而来, [28:00.48]元の世界に帰る術をなくしたのです。
却无法回到原本的世界。 [28:05.36]彼女は悲しくなって
她感到悲伤, [28:07.72]せめてよい暮らしを
想着至少要给他一个好的生活环境, [28:09.10]と今まで以上に励みました。
表现得比以前更勤奋。 [28:13.44]けれど
可他却说 [28:15.69]「無駄な消費はよくない
「浪费资源不好。 [28:18.13]無制限に使っているが
无限地使用, [28:20.09]底をついたらどうしてくれる。
万一见底了怎么办。 [28:22.74]君が枯渇したら
如果你枯竭了, [28:24.72]こちらも共倒れなんだぞ」
我也会完蛋」 [28:27.73]彼女の行為はいつだって空回り。
她总是在白费工夫。 [28:32.30]この頃には人間の言葉も覚えて
最近我学会的人类的语言, [28:35.28]発声器官もまねて発話をしますが
我模仿出发声器官尝试说话, [28:38.35]彼は聞く耳を持ちません。
他却不打算听。 [28:41.41]むしろ
不如说, [28:42.55]人間らしく話しかければ話しかけるほど
我说话越像人类, [28:45.92]嫌悪感をあらわにしていくのです。
他越讨厌我 [28:50.08]彼女は彼のために色々なものを用意しました
她为了他准备了各种各样的东西。 [28:55.29]かつてないほど頑張りました。
她从未有过这么努力。 [28:58.80]生命の原理
努力的程度甚至可以 [29:00.66]原子の法則をねじまげるぐらい努力しました。
扭曲生命的原理,扭曲原子的法则。 [29:05.69]もう説明する必要はないでしょう
已经无须说明了吧。 [29:10.26]彼女は彼に、それほどの恋をしたのです。
她就是那么的爱他。 [29:16.05]“とても素敵なヒトでした
“他是个非常优秀的人。 [29:19.09]わたしのような石に
他为我这颗石头, [29:21.60]生命の定義をしてくれたのです。”
赋予了生命的定义” [29:25.77]いまも
那怕到了现在, [29:26.83]その言葉は多くのサンゴに焼き付いています。
他的那些话仍然铭记在众多珊瑚上。 [29:31.20]なのに彼は礼も言わず
可是他却从不道谢, [29:33.40]ただ消費するばかり。
只是一味的消费。 [29:37.17]“わたしはヒトに近づけたでしょうか?”
“我是不是有点像是人类了?” [29:41.41]そう語りかけるように氷の下で踊ります。
像是在和谁说话一样,她在冰面下跳起了舞。 [29:46.24]彼女の両足が地表から解き放された
这件事发生在她的双脚, [29:50.31]はじめての日のコトです。
第一次从地表上解放的那天。 [29:54.63]「どちらかというと
「要我说的话, [29:56.53]君の体は珊瑚のようだ」
你的身体就像珊瑚一样」 [29:59.79]思えば
回想起来, [30:01.41]それが一度きりの褒め言葉でした。
这是他第一次夸奖我。 [30:06.11]いや、でもおばあちゃん
不对,奶奶, [30:09.07]これは褒め言葉じゃありません
这不是夸人的话。 [30:11.62]嫌みだと思います。
这是在挖苦。 [30:14.93]でも彼女は
但她似乎 [30:16.61]その言葉がとても
对这句话感到 [30:18.55]とても嬉しかったようなのです。
非常非常开心。 [30:22.03]それから十二時間はずっと
在这以后的12小时, [30:24.49]珪素で出来た自分の体が誇らしかったほどに。
她一直在对自己不断产出硅的身体感到自豪。 [30:30.98]月日にすると半年ほど
两个人一起 [30:33.73]ふたりの時間は続きました。
度过了半年的时间。 [30:37.04]終わりはあっさりしたものです。
结束的那天简简单单到来。 [30:40.40]彼は船を修理しきると
他修好飞船后, [30:43.04]彼女を抱きかかえて船に乗り込みました。
就把她抱进了飞船。 [30:48.05]彼女はここのところ弱っていて
她最近身体虚弱, [30:50.90]動くこともできなかったので
无法活动, [30:53.42]乗船も
乘船 [30:54.72]その後の処理も
以及之后的工作 [30:56.16]簡単に済まされてしまったのです。
都交给他处理。 [31:00.63]影の海を離れるのは不安でも
虽然,对离开阴影之海感到不安, [31:03.82]彼がいるのなら喜ばしい。
但是有他在就让她很高兴。 [31:07.98]彼女はせまい
她在乘坐在 [31:09.51]ひとりぐらいしか乗るスペースのない船の中で
只能容下一个人的狭小空间内, [31:12.90]幸せそうに目をつむります。
幸福地闭上眼睛。 [31:17.09]「人間がイヤで
「我讨厌人类, [31:19.23]何もかもを見限って
所以舍弃了一切, [31:21.21]月に昇ってきた」
来到月球」 [31:25.08]声は船の外側から。
飞船外传来声音。 [31:28.61]今まで誰もいなかった
至今为止从未有人出现, [31:31.11]これから誰もいなくなるはずの
未来也不会有人出现的荒野上, [31:33.66]荒野から響いてきます。
传来了声音。 [31:37.99]「そんな私が、人を愛する道理がない」
「这样的我,没有理由爱人」 [31:43.52]体は動きません。
我的身体动不了。 [31:45.83]気付いても、扉は開きません。
而且门也打不开。 [31:50.19]彼女はもう星から離れてしまったから
她已经离开了星球, [31:53.15]星も動いてはくれません。
所以星球不会再为我运转。 [31:56.47]星を覆っていた氷の空は
覆盖星球的冰空, [31:59.34]夢のように砕けていきます。
如梦般破碎。 [32:03.16]「君が私に向けている好意は
「你对我展现的好意, [32:06.00]愛情ではないと思う。
我不认为是爱情。 [32:08.32]単に、君が人を知らないからだ」
只是因为你不知道什么是人」 [32:13.40]彼女は覗き窓にすがりついて
她的脸贴在窗口上, [32:16.20]忘れていた掟を思い出しました。
想起了那条忘记了的法律。 [32:19.53]あちらの人間に恋をすると
如果爱上那边的人, [32:22.59]罰として、永遠に別れるのです。
作为惩罚,将永远离别。 [32:27.62]「動物的な感情を満たしたいだけなら
「如果只想满足野性的感情, [32:30.90]あの地上には相応しい相手が山ほどいる。
那么那片土地上,有无数适合你的人。 [32:34.99]君はそこで生きればいい」
你只要活在那边就行了」 [32:38.69]ああ、彼はここに残るのだと
啊,她感到悲伤, [32:42.42]彼女は嘆きました。
他要留在这里。 [32:44.94]同時に
与此同时 [32:46.25]それが彼にとっていちばんいい選択なのだと
她也明白,这对他来说 [32:49.81]理解してもいたのです。
是最好的选择。 [32:53.47]「しかし。君はどうあっても
「但是。不管怎样, [32:57.03]あの星にとって善いモノではないだろう。
你对那个星球来说,并非什么好事。 [33:00.64]私は地上の人間を
我又一次 [33:03.18]二度殺すことになるな」
杀死了地球上的人类。」 [33:06.65]以前の彼女からすればちっぽけな火花。
在以前的她看来,飞船只有小小的火花。 [33:11.17]今の彼女にすれば
可是现在却迸发着 [33:12.81]恐ろしいほどの光と熱を吐き出して
可怕的光与热、 [33:16.06]船は地表を離れていきます。
离开了地表。 [33:19.96]銀色の大地。
银色的大地。 [33:22.94]彼女そのものだった世界が
曾经属于她的世界, [33:25.64]他人のように遠く遠く。
现在却像陌生人一样越来越远。 [33:29.86]ヒトになりかけていた彼女の目には
几乎变化成人的她, [33:32.70]遠ざかる小さな星。
眼里的是渐渐缩小的星球。 [33:36.38]暗い海に独りきりで
它在黑色的海洋中, [33:38.80]きらきらと輝くのです。
孤单地闪烁着光芒。 [33:42.84]けれど
虽然, [33:44.37]青い宙を航る最中でも
飞船已经航行在了蓝天中, [33:47.30]彼女に涙する時間はありませんでした。
却没有给她流泪的机会。 [33:51.50]彼は本当にひどい人間で
他是个过分的人类, [33:54.39]彼女の安全なんて配慮していなかったのです。
没有考虑到她的安全问题。 [33:58.76]船には地上の重力圏に
飞船的燃料 [34:00.62]入るだけの燃料しかなく。
只能支撑到进入地球重力圈, [34:03.30]六倍の重力下での不時着に
却没有六倍重力下的 [34:05.41]耐えきれる設計ではありません。
紧急迫降方案。 [34:09.07]船は空で分解し
飞船在空中解体, [34:11.77]彼女はそれはもう悪い冗談のように
她把这当成一种恶劣的玩笑, [34:14.74]真っ逆さまに青い海に落ちました。
整个人倒着落入了蓝色的海洋。 [34:18.67]それがこの島の始まり。
这就是这座岛的起源。 [34:22.94]彼女は一命を取り留めましたが
她留下了一命, [34:25.53]落下のショックで
坠落的冲击 [34:27.00]記憶がところどころ欠けてしまいました。
却让记忆出现了缺失。 [34:31.61]島に新しい珊瑚ができたのはこの時から。
岛上也是在这个时候,诞生了新的珊瑚。 [34:36.42]彼女はここで暮らし
她在这里生活、 [34:38.64]子を育み、生涯を終えました。
养育孩子、走完了自己的一生。 [34:43.95]ただ、毎月。
不过,每到满月的那个夜晚。 [34:47.40]満月の夜になると空を見上げては
她看向天空的时候, [34:51.77]幸せそうに笑っていたというコトです。
总会露出幸福的笑容。 [34:57.49]かくして、わたしのはじめての創作は
◆就这样,我顺利完成了 [35:01.06]無事終わりを迎えた。
我的首次创作。 [35:05.35]「ところどころ貴方の主観がまじっていますね
「到处都塞着你自己的看法呢。 [35:08.71]一部、特定の人物の描写に偏見もみられます」
而且对部分人物的描写也有偏见。」 [35:14.30]このように
就像这样, [35:15.80]ブリキ編集には
铁皮编辑 [35:17.09]三回ほどダメ出しをもらっていたが。
拒绝了我3次投稿。 [35:20.78]明日は満月。
不过,明天又是满月。 [35:23.01]わたしはまる一ヵ月
整整一个月 [35:25.23]小さな配達人に
都在让小小派件员 [35:26.96]物書きを教えてもらっていた事になる。
教我写文章。 [35:30.90]彼はこちらの言葉をうまく聞き取れないため
因为他无法很好地理解我们的语言, [35:34.55]会話はたまにすれ違いはしたものの
所以偶尔会出现误解, [35:37.30]おおむね刺激的な時間だった。
但是大部分时间都令人兴奋。 [35:40.92]はじめこそ彼の姿に面食らっていたけれど
刚开始还对他的模样感到吃惊, [35:44.90]数日のうちに物珍しさはなくなった。
几天相处下来,已经不再觉得稀奇了。 [35:49.15]あいかわらずガラスの反射で
虽然和以往一样,还是因为玻璃的反射 [35:51.59]ブリキの中は覗けないけれど。
看不见铁皮内部, [35:54.63]彼は真面目で
但他不仅是个认真的、 [35:56.36]好奇心旺盛で
好奇心旺盛的人, [35:58.26]なにより正直だった。
还是个非常诚实的人。 [36:01.62]はじめから
好像是个生来就是 [36:02.96]噓も誤魔化しも覚えない生き物のように。
不会说谎和糊弄他人的生物。 [36:08.81]「読み終えました
「我读完了。 [36:11.16]感想を口にしてよろしいでしょうか?」
我能说一说感想吗?」 [36:14.80]丁寧に訊ねられて
他礼貌地问我, [36:16.75]緊張気味に頷いた。
我紧张地点了点头。 [36:19.82]昔話を文字に起こしただけとはいえ
尽管只是将口传的故事写成文字, [36:22.98]なかなかに気恥ずかしいものがあるのである。
但还是让我感到不好意思。 [36:27.63]「どうぞ。お手柔らかにお願いします」
「请吧。也还请口下留情。」 [36:32.10]「私の知っていたものとは大分違いますが
「你写的与我所知的有很大的不同, [36:35.44]たいへん楽しませていただきました。
读起来十分享受。 [36:39.18]この彼女は、実に可愛らしい方ですね」
尤其是这位少女,真是可爱极了」 [36:43.78]「そうかしら。
「是吗。 [36:45.62]少し無防備というか
我倒是认为她有些不设防, [36:47.87]平和すぎると思うんだけど。
或者说,活得太安逸了。 [36:50.66]どのへんが気に入ったの?」
你喜欢她哪点?」 [36:53.48]「行動に揺らぎがありません
「行动中没有任何动摇。 [36:56.14]正直な人だったのでしょう。
是一位诚实的人。 [36:58.59]周りが見えていなかったのは
不关注周围的事情, [37:00.69]一つの事だけを信じたからです」
是因为她只坚信一件事。」 [37:04.38]「ずいぶんと肩入れするのね
「你相当偏袒她呢。 [37:06.59]そんなの
你说的这些, [37:07.69]わたしの本だけじゃ断定できないのに」
根本没法通过我写的内容判断吧」 [37:11.01]「できますよ
「可以判断的。 [37:13.22]ひとかけらの後悔も見られませんでしたから。
我没有见到她有一丝的后悔。 [37:17.44]彼女から読み取れるのは
我从她身上读到的, [37:19.48]最後まで幸福であった事実だけです」
是直到最后一刻都是幸福的事实。」 [37:23.91]わたしは押し黙ってしまう
我沉默了。 [37:26.90]そんなつもりはなかったのだ。
我并没有打算这么写。 [37:29.20]わたしはむしろ
不如说, [37:30.59]反感をこめて筆をとっていたはずなのに。
我是带着反感在写作。 [37:35.30]わたしから見れば
在我看来, [37:37.11]この本はひどい物語だ。
这是一篇残酷的故事。 [37:40.83]そう
…是吗。 [37:42.69]子供の頃から
从小时候起, [37:44.19]おばあちゃんの話には疑問があった。
我就对奶奶的故事抱有疑问。 [37:47.59]尽くした末に捨てられたのに
明明付出了所有的心意, [37:50.24]どうして彼女はあんなにも幸福だったのか。
却被舍弃了,为什么她还能那么幸福。 [37:55.25]裏切られてもかまわない献身が愛だというのなら
如果爱是即使被背叛也愿意献身, [37:58.99]わたしはやっぱり
那么 [38:00.73]そういうものとは反りが合わないと思う。
我果然没法认同。 [38:05.32]「わたしは悲劇として書いたつもりなんだけど」
「我原本是打算写悲剧的」 [38:09.91]「彼女の主観は、貴方の主観です
「她的观点,即是你的观点。 [38:14.20]貴方たちはそういう生き物だ。
你们就是这样的生物。 [38:17.20]母方の記憶を自分のものとして受け継いでいます
将母系的记忆继承给自己。 [38:21.78]ですから、どんなに反感を持っていても
所以,不管你有多么反感, [38:25.47]この物語の根本からは逸脱できない。
也无法逃脱这个故事的本质。 [38:29.40]貴方がどう思おうと
无论你有怎样的看法, [38:31.38]貴方の遺伝子には
你的基因里 [38:33.21]原初の気持ちが刻まれているのです」
都铭刻着最原始的感情」 [38:38.01]「……よく分からないけど
「…我不太明白。 [38:40.73]お眼鏡にかなった、ってコトでいいの?」
可以当作是好的评价吗?」 [38:45.17]わたしの声は少しだけ不機嫌だった。
我发出了有些不开心的声音。 [38:48.68]彼はこくん、とブリキの頭を上下させる。
他深深地点了点铁皮脑袋。 [38:54.13]「私の期待とは違いましたが
「和我期待的故事不一样, [38:56.91]それ以上のものを頂きました
但是,比我期待的要好得多。 [38:59.63]お気に入りの一冊です」
我非常喜欢」 [39:02.41]「期待? 何を期待していたの?」
「期待?你在期待什么?」 [39:06.75]「珊瑚の話です
「珊瑚的故事。 [39:09.57]私の国からでは
在我的祖国看来, [39:11.53]この島の珊瑚はとても不思議に映るのです。
这座岛上的珊瑚十分不可思议。 [39:15.82]どうしてこの島の珊瑚は光るのか
我认为你可能会知道, [39:19.27]貴方なら知っているかと思ったのですが」
为什么这座岛的珊瑚会发光。」 [39:23.99]この島唯一にして、最大の特産品。
这座岛上唯一的、也是数量最多的特产。 [39:28.66]満月の夜に光る珊瑚。
会在满月之夜发光的珊瑚。 [39:32.41]珊瑚のカタチをしたあの樹木たちは
那些有着珊瑚外观的树木, [39:35.73]周期的に大量の酸素やら
周期性地 [39:37.92]窒素やらを生みだしている。
释放大量的氧和氮。 [39:40.44]結果として
从结果上来看, [39:41.98]少しだけ人間の歴史を延命させているそうだけど
貌似稍微延长了人类的历史, [39:45.99]そんなのはどうでもいい話だし。
但是这并不重要。 [39:49.44]わたしにとっても別段
对我来说, [39:51.50]とりあげる事項ではなかったのだ。
没什么特别的。 [39:55.58]「貴方たちにとって
「对你们来说, [39:57.53]明かりを灯す珊瑚は当たり前のものなのですね。
珊瑚发光是理所当然的对吧。 [40:02.33]おそらく
恐怕 [40:03.66]あの発光はただの生態機能でしょう
发光只是正常的生态功能。 [40:07.04]こういった偶然もあるのだと判断します」
我判断存在这种偶然」 [40:11.21]それだけ言って
他说完后 [40:12.72]彼は舟の中に隠れてしまった。
回到了小船内。 [40:16.01]いや、潜っていった。
不对,应该说是潜入了小船。 [40:19.78]ほどなくして
不一会儿, [40:21.17]彼は自分と同じぐらいの大きさの包みを
它拖出了一个 [40:23.79]引っ張り出してきた。
和他差不多大小的包裹。 [40:26.24]「もうどこに届けていいものか困っていましたが
「我正在为不知道应该送往哪里感到烦恼呢, [40:30.00]調べた結果
根据调查结果, [40:31.50]貴方が受取人に該当するようです。
你似乎就是收件人。 [40:35.06]これは取引ですが、私の職務でもある
这是交易,也是我的工作。 [40:39.34]どうぞ、お受け取りください」
请收下」 [40:43.01]包みには貝殻が一つ
包裹里是一个贝壳。 [40:46.14]真っ白い、銀河星雲のような貝殻だ。
纯白色,宛如银河星云的贝壳。 [40:51.01]わたしは直感的に貝殻を耳にあてた。
我凭直觉将贝壳放在了耳边。 [40:55.88]ざあ、ざあ。
沙…沙… [41:00.49]巻き貝の渦巻き構造
海螺的螺旋构造。 [41:03.17]オルガン官の螺旋が
螺旋风琴师, [41:05.03]波の音を反響させる。
演奏起了阵阵波涛声。 [41:08.52]ざざ、ざざ
沙沙、沙沙 [41:11.65]CQCQ、聞こえますか。
CQCQ,听得见吗。 [41:16.78]波のざわめきの後から
波浪沙沙作响过后, [41:19.06]静かな記録が伝わってくる。
听见了平静的记录声。 [41:22.90]……ああ、これはレコーダーだ。
……啊啊,这是录音。 [41:27.77]何処か、遙か、見知らぬ人の物語を
我会用声音,记录下发生在遥远的、 [41:32.93]音として記録している。
某个地方的、陌生人的故事。 [41:36.48]「私には意味が分からないものです。
「我不知道这个东西有什么意义。 [41:39.62]一日預けますから
暂时先放在你那里一天, [41:41.64]気に入ったのなら貰ってください
如果你喜欢的话就拿走吧。 [41:43.89]その本と引き替えです。
用于交换这本书。 [41:46.24]それでは明日」
那么明天见」 [41:49.11]小さな彼は舵を握って
小小的他握着船舵, [41:51.85]船頭を空に向ける
船头驶向天空。 [41:54.46]わたしはあわてて声をかけた。
我急忙叫住他。 [41:57.21]この者の加速力
这东西的加速力 [41:59.17]機動性はなかなかに侮りがたく
和机动性真是不可小觑, [42:02.06]目を離すと一瞬で飛んでいってしまうのだ。
一转眼就飞走了。 [42:05.26]悔しいことに
真可惜, [42:06.95]捕まえられたコトは一度もない。
我从来没逮住过它。 [42:10.54]なんでしょう?と振り返る彼に一言。
怎么了?他突然飞回来说道。 [42:14.83]「評価をまだ聞いてない。それで、点数は?」
「我还没听到你的评价。还有,分数是多少?」 [42:20.11]「いやだな。
「不行。 [42:22.10]本に点数をつけるなんて
给书打分, [42:24.55]できませんよ」
我做不到」 [42:26.71]照れくさそうに言って
他好像很害羞, [42:28.80]舟は西の空に消えていった。
说完,小船就消失在了西边。 [42:32.44]はじめて聞いた
这似乎是我第一次听见, [42:34.60]感情のこもった
他像是人类一样, [42:36.66]人間らしい声だった。
含有感情的声音。
月の珊瑚1-坂本真綾热门评论
原本想做歌词的,而且准备开始做了,但是因为歌词太多,文件太大,歌词软件根本带不动[大哭]无法做出来[流泪]
光是要人跑到月亮上去就已经是够残酷的要求了,居然还要找回不可能存在的鱼,也难怪有岛的少爷会生气得回家了 但是我发誓,我是认真的。 只要有谁能够解决这个难题,不管是谁我都会为其献上一生.因为如果不这样的话,我就无法知道爱的深浅这个星球失去了很多东西,而失去最多的就是去爱一个人的感情。
这是她配式时候的声线啊,听的时候我眼前仿佛看见那个猫一样的少女
繁星闪耀,大海低语,珊瑚诉说着对人类的爱恋。 我们就如同水母,轻飘飘地漂过每一天。” 在昏暗的原野上一边唱歌,一边踏上阶梯。 “哦。将人生比作水母吗,真是给力。”
每天听坂本真绫的,我が旗、我が同胞を守りたまえ[奸笑]
这一年也终于快走到了尽头。 这是第十一次满月的夜晚。还有一个月这一年就将死去,迎来未知的下一年。
也就是说一直使用着同样的信息(DATA),节约也不能这么省嘛。虽然大家都说过去的人类很奢侈,但是在我们看来实在是节俭持家的典范.现在是西历……大概三千年左右吧。 人类早已终结,无法保证自己能够活着迎来第二天,因此每个人也都不去争斗了,人类花费数千年建立起来的文明已经全部被丢到了空中。
虽然听起来有点可笑,但是我奶奶,似乎是月亮上的人。
我每次都向求婚者提出一些刁钻的题目。 这次的题目是月亮上的鱼。月亮是一个只进不出的世界。虽然还保留着去的方法,却没了回来的方法。如果只是单纯的去的话还算现实,但是却回不来。那是一个你只能抬头仰望的,现实中存在的死亡世界
妈妈和奶奶还有奶奶的妈妈都有着一样的少女情怀,似乎也一样是出众的美人。很遗憾的是,我就有点不像她们。没有妈妈那么漂亮,更重要的是欠缺少女风范。之所以还能有一大票的求婚者,大概只是因为这个岛吧“哦,有岛的少爷回家了吗。” 因为感受到了风而仰望天空,一架黝黑的飞机跃入了我的视野。
我们能活到那个时候的希望,比起那只透明的水母还要渺茫。 对现在的人类来说,时间就是用来浪费的。“死”这个字眼适用于任何事物。而据我所知,过去的人们似乎拥有着更开朗的价值观。连历法这种东西都不是消耗品而是每年都能循环使用的呢。
像我这样在被求婚的时候丢给对方难题的行为,是因为我无法衡量爱的深浅,只能让对方自己去衡量。如果能去拿到比我价值更高的东西来交换我的话,那么就能证明这个人确实需要我。
但是在那之后,人类迎来了一个大灾难。虽然地面因为两极的转换很是狼狈,但是人类所遭遇的却是更加决定性的,不可战胜的末日。 该怎么说呢。 人类突然就失去了热情。 它包括了开拓进取的热情,探寻未知的热情,以及繁衍后代的热情。
而我今天也无视了那不知道已是第十几次的求婚,来到了岛上的高台眺望着海岸线。 “天空有水,水蕴天空。月亮的天空中有着四散的海洋。” 看着那闪亮的海洋,我不由得轻声唱起奶奶教给我的歌。
如果这么发展下去,大概五十年整个种族就要全部灭绝。之所以能够苟延残喘到现在,是因为大概十个人里还有那么一个人是那种认为还能再努力一把的怪人 。
那可不是什么家庭主妇抱怨自己的儿子是家里蹲这样的小事,而是在人类整个种群都变得对一切都不在乎了。于是地球这边的人,几乎将所有文明成果都送到了月球那边去。
正确来说这是奶奶的奶奶所传下来的,语言的含义已经不明,所以也无法得知歌词的真正含义。虽然说奶奶的坏话让我过意不去,不过这实在是太过少女情怀了。在这种看着残余量(末日)生活的日子里,她依然仿佛是一个梦中的人一般。
第一章才发三分之一[惊恐][惊恐][惊恐],我有点后悔了……我是真的头铁
我之所以会被人称为公主,也是因为对陆地上的人来说这个岛非常特别。他们说这是复兴人类的希望之星,但是对我们来说这只是极为普通的,什么时候迎来末日也不会为之稀奇的环境。 “真遗憾。看来即使能飞天,也没法找来月亮上的鱼呢。”
这些人在这种光是顾自己都顾不过来的情况下都还在为他人着想。当这些怪人集中在一起,就类似于“过去”的人类集体居住的地区一样,他们的生活圈被称为都市部。因为我从来没去过,所以详细情况我并不了解。
真是没有比这个更好的睡前读物了,我永远喜欢坂本真绫和蘑菇